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e解説シリーズ まいこのShade 9教室

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前回に続いて、今回はレイトレーシングとパストレーシングの違いを見ていきましょう。

(図3)レイトレーシング (図4)パストレーシング

パストレーシングは、基本的にレイトレーシングを拡張・強化したレンダリング方法です。なので、レイトレーシングにできてパストレーシングにできないことはありません。右手前のガラス球の屈折や金属球・鏡の反射像、それに色付きの影なども正しく描けていますよね。

さらに前回レイトレーシングで消えてしまった右下のボールのモーションブラーが復活しました。その上、床に落ちている青のボールの影を見ると、スキャンラインではボールにはブラーがかかっているのに影の輪郭はハッキリしたままだったのが、パストレーシングは影にもモーションブラーが適用されています。

(図7)

影といえば各ボールの左側に落ちている影も、レイトレーシングでは輪郭がシャープなのに、パストレーシングでは影の発生源から離れるにつれて輪郭がぼやけ色が薄くなって、よりリアルな印象を受けますね。
前回説明したように左の影の元になっているのはシーン右側に置かれた点光源なのですが、パストレーシングでは点光源やスポットライトから発生する影にも「影のソフトネス」スライダ(図7)に応じたボケ足を付けることができますよ。

(図8)

実をいうとレイトレーシングは「ボケ」の表現が苦手で、それを補うのがパストレーシングの大きな役割の一つなんです。
画面手前の床のタイルに反射したボールの像を見てください。レイトレーシングでは鏡のようにクッキリした反射像になっていますが、パストレーシングは反射像がぼやけています。表面材質設定の「荒さ」スライダの値が反射像に影響しているのです。(図8)
パストレーシングならではの「ボケ」が生かされている箇所がもう一つあります。

画面奥のタイルや鏡も少しボケが掛かっていますね。これは「被写界深度」と言います。実写のカメラではピント合わせに失敗した場合のいわゆる「ピンぼけ」などでお馴染みの現象ですね。前回の問題、「奥行きのあるシーンを作成するには?」でも使用した方法です。

わざわざピンぼけを再現するのもおかしな感じがするかもしれませんが、私たちが普段目にしている景色や写真には必ずこの被写界深度によるボケが含まれています。それが全くないレイトレーシングでは、シャープ過ぎるためにかえって不自然に見えてしまいます。

(図9)

このようにパストレーシングを使えば、レイトレーシングから更にリアルな表現が可能になります。

このようにパストレーシングを使えば、レイトレーシングから更にリアルな表現が可能になります。

リアルな表現をする、という点ではもう一つ「大域照明」をつかうのも忘れちゃいけません。(図9)

レンダリングオプションの大域照明タブの中にある、プルダウンメニューから「パストレーシング/フォトンマップ/ラジオシティ」などの大域照明計算方法を使うか選択できますよ。大域照明はレンダリング手法がレイトレーシング以上の場合のみ有効になります。

professionalなら、スキャンラインの場合にもラジオシティが使用できます。

(図10)

大域照明を使う主な目的は、間接光(オブジェクト同士の間で光が繰り返し反射し合う現象)の計算を行うためにあります。図10はレイトレーシング+フォトンマップでレンダリングした画像ですが、レイトレーシングだけの画像と比べると、全体に光が柔らかく回り込んでいる様子が感じ取れますね。

スキャンラインもレイトレーシングもパストレーシングも、クオリティだけじゃなく様々な特徴がありましたね。

これらを皆さんもうまく使い分けて、効率アップしたりクオリティを上げたり、それぞれの特徴を生かしてみてくださいね。

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