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イベントレポート

101TOKYO Contemporary Art Fair 2009 レポート (09/04/24)

現代アートにおけるCGの位置づけとは? 東京秋葉原の複合施設「UDX」で開催された現代アートの展示即売会で、CGアートの未来へ向けたASIAGRAPHの挑戦を取材しました。

(取材:滝澤真実 イーフロ文芸部)


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パソコンとインターネットの普及で、多くの人がデジタル作品を作ってネット上で発表するようになった。しかし、その多くはネット上で無料で流通していて、クリエイターが自分の作品から利益を得ることは難しい。
アジアの優秀なCGアーティストを擁するASIAGRAPHは、その潮流に挑むために、所属アーティストのCG作品を現代アートの展示即売会「101TOKYO Contemporary Art Fair 2009」に出品した。
果たして、CGアートはアート取引の対象たりえるのか?
このASIAGRAPHの新しい挑戦を、展示即売会の会場の熱気とともにレポートする。


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さすがに現代アートの展示会というだけあって、巨大なオブジェクトがあったり、小さなものから大きなものまで、さまざまな絵画や写真が飾られていたりして、なかなかバラエティ豊かで楽しいものである。
意外にも、映像作品、デジタル一眼レフで撮ったであろう写真など、デジタル作品もそれなりにあるようだ。
よくよく考えてみれば、版画やリトグラフなど、その気になればいくつも複製を作ることのできる芸術作品は多い。複製が増えれば、それだけ作品の価値は低くなる。それは、デジタル・CGに限った話ではないのである。


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そのあたりの事情を、フェアの会場内でASIAGRAPHの喜多見康氏に質問してみると、

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「写真でもリトグラフでも、同じ作品をたくさん生み出せる形式のものは、作品のコレクションとしての価値を高めるために、生産数を限定するものなんです。もちろんASIAGRAPHのCG作品も、今回の展示即売会の出品に際しては、生産数を限定しています。さらに、作家自身がプリント作品の品質を管理した上でサインを入れることで、アート作品としての価値を高めています。CGは複製が簡単なので作品としての価値が低く見られがちですが、こうしたルールによって、CGもアートとして通用することを証明したいですね」

とのこと。対策は万全のようだ。


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ASIAGRAPHブースには、写真や前衛的な絵画が多い他のブースとは明らかに異質な作品が展示されていた。アジア各国のCGアーティストの作品が、約20点ほど。喜多見氏に聞いたところ、ほとんどのアーティストが仕事でCGを作りながら、余技で個人的にアート作品を制作をしている、とのこと。
中には、アメリカの映画や日本のアニメ・ゲームなどの製作現場から、実際に仕事をうけて活躍している人がけっこういるのだとか。異なる国のアーティストが一緒になってプロダクションを設立した例もあるそうだ。


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時間がたつにつれて会場内には熱気があふれ、そこかしこで熱心に話し込む人の数が増えてきた。ASIAGRAPHブースでも、作品に興味深そうに見入る人も多く、中にはバイヤーらしき人が熱心にメモをとりながら、ブース内の作品を隅から隅までチェックしている姿も見られた。
アート取引の現場では、昔から変わらず「作品の力」が重要で、デジタルかどうかなんてことを気にする人はいないのかもしれない。

「どんなに才能に恵まれた人でも、仕事で作った作品は会社の作品になってしまい、会社の作品の力としてしか評価されないんですよね。だからこそ、ASIAGRAPHのアーティストたちには、本人の作品の力が評価されて、本人の作品として売れる、そんな経験をさせたいんです」

喜多見氏は、ASIAGRAPHの取り組みについて、そう力強く語ってくれた。


ASIAGRAPHでは、2009年の公募作品の募集要綱を5月下旬に公開予定とのこと。
腕に覚えのあるアーティストの皆さん、ぜひこのチャンスにアジアへ、そして世界へ、挑戦してみてはいかがだろうか。

ASIAGRAPH: http://www.asiagraph.jp/

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