- スペシャル
- Shade 12 関連記事
- Shadeユーザー訪問記
- ジプシーIKEDAの制作日記
- Vue つまみ食い!
Shadeユーザーのための連携講座 - modo つまみ食い!
Shadeユーザーのための連携講座 - 園田浩二の立体視マニアックス
- SPEEDフォーマットについて
- Shadeギャラリー
- ムービー
- ユーザ作品ギャラリー1
- ユーザ作品ギャラリー2
- ユーザ作品ギャラリー3
- TOP画像ギャラリー
Shadeユーザー訪問記:マンガ家 寺沢武一先生 ~心さえ新しければアイデアはいつでも生まれる~(12.14) 日本の「デジタルマンガ」の生みの親、マンガ界の大御所である寺沢武一先生の仕事部屋にお邪魔しました。いつまでも熱くて格好いい男、寺沢先...
Shade 12 ムービーツアー:ミラーリングとマグネット (12.14)Shade 12 に新規に追加されたミラーリング機能、マグネット機能についてご紹介します。
アーカイブ:インタビュー特集
アーティストに聞く 『3DCGだからこそ可能なリアルさを求めて』 ~マンガ家:奥浩哉先生
Shadeで配置した素材(左)/コマのアタリ(右)
――今回は、集英社の週刊ヤングジャンプで人気マンガ「GANTZ」を連載中のマンガ家、奥浩哉先生にお話をお聞きします。どうぞよろしくお願いします。
奥:よろしくお願いします。
――「GANTZ」の制作ではShadeをお使いいただいているとか。
奥:ベジェ曲線で絵を描くように立体を作れるShadeは、僕のようなマンガ家にはとても向いていたんだと思います。
フェンスの形状を壊す(左)/表面の質感を設定(右)
――Shadeを使うことで制作時間が短くなるとか、そんな効果もありましたか?
奥:制作時間というより、表現力が格段に向上することのほうが大きいんですよ。僕はリアリティにこだわって絵を作っているので、Shadeのおかげでイメージどおりの絵を表現しやすくなりました。もちろん、楽をするために3DCGを導入しているマンガ家さんもいるとは思うのですが、僕の場合は省力化というより表現力が重要なんです。
――そうなんですか。Shadeを使った「リアルな表現」の具体例を教えていただけますか?
奥:建物とか武器とかでShadeはよく使ってますけど、わかりやすいのはフェンスかな。まずShadeでフェンスの形状を作って、それをCINEMA 4Dに持って行って壊します。
背景画像のベース完成(左)/効果を描き込み(右)
――壊すんですか?
奥:そう。僕のマンガは、モノが壊れるシーンが多いから(笑) それで、CINEMA 4Dで壊した形状を、Shadeに戻してレンダリングするんです。こうすると、破壊前のフェンスと破壊後のフェンスが、同じサイズでシーンに置けるわけですね。もちろん3Dで作っているので、破壊前後でどんなに視点を移動しても、フェンスの見え方が破綻しません。
――なるほど、こだわってますねぇ。本当に時間がかかりそうです。
奥:そうそう。だから、一発でモノを壊せるプラグインとか、Shadeについてくれたらうれしいんですよね。あ、でも、それで喜ぶのは僕だけなのかな?(笑)
アタリに合わせて絵を描画(左)/絵に着色(右)
――どうでしょう?(笑) でも、開発チームに話して検討してみますね。ちょうどShadeの機能に対するリクエストが出ましたので、他にもリクエストがあれば、ぜひお聞かせください。
奥:最新の、日用品の素材が欲しいんです。これまでも森シリーズやプロダクトデータ集などの素材集にはとてもお世話になってきましたが、登場人物が持つ携帯電話や室内に置かれている液晶テレビ、大きいものではコンビニやファストフード店など、リアルさの演出に必要な日常のアイテムがあるといいですね。たぶん、これは僕だけじゃなくて、他のマンガ家さんもみんな欲しがるんじゃないかなぁ。だって、こういった小物を実際に全部モデリングするのは、とても大変じゃないですか。でも、日常のリアルさを表現するには、小物こそが重要なんです。
――なるほど。とても参考になります。これも、開発チームと相談してみますね。では最後に、奥先生がShadeを使ってマンガを描く際の、コツのようなものがあったら教えていただけますか?
奥:必ず、ペンで描くことです。デジタルで出来上がった原稿にペンを入れることで、はじめて思ったとおりの絵に仕上げられるんですよ。ペンを入れないと、完成した感じがしないんですね。Shadeだけでもなく、ペンだけでもなく、すべてが一緒になることで最高の表現ができるんです。
――なるほど。Shadeも道具のひとつで、最後にはやはりペンの力が必要になる、と。個性的で魅力的な作品を生み出すための、奥先生のこだわりが垣間見えたような気がします。
奥:本当は、Shadeだけで何でもできて最高! なんて話が聞きたかったんじゃないですか?(笑)
――ええ、実は(笑) でも、貴重なお話をお聞きできて、本当に良かったです。お忙しい中、厚かましい取材のお願いにご対応いただいて、ありがとうございました。でも、厚かましいついでに、もうひとつお願いが。
奥:なんでしょう?
――ちょこっとでいいので、Shadeのパッケージに使われているHanakoを、奥先生のマンガに出演させていただいたりできませんか?(笑)
奥:おっ、かわいいですね。考えておきますね(笑)
(聞き手:たきざわ)
※このインタビューは2008年3月に行われたものです。
アーティストホームページ:GANTZ - Web YOUNG JUMP(http://yj.shueisha.co.jp/manga/gantz/index.html)
(C)HIROYA OKU 2008
掲載されている記事/画像の転載を禁止します。