みんなの感動をかたちに
旧製品情報

Shade




Shade 12 製品情報・購入
Shade 12へのバージョンアップ
ライセンスプログラムはこちら
アカデミック版はこちら

販売を終了しました。

※新規購入特典付きの販売は終了しました。


アーカイブ:インタビュー特集

アーティストに聞く 『3DCGだからこそ可能なリアルさを求めて』 ~マンガ家:奥浩哉先生

Shadeで配置した素材(左)/コマのアタリ(右)

Shadeで配置した素材(左)/コマのアタリ(右)

――今回は、集英社の週刊ヤングジャンプで人気マンガ「GANTZ」を連載中のマンガ家、奥浩哉先生にお話をお聞きします。どうぞよろしくお願いします。

奥:よろしくお願いします。

――「GANTZ」の制作ではShadeをお使いいただいているとか。

奥:ベジェ曲線で絵を描くように立体を作れるShadeは、僕のようなマンガ家にはとても向いていたんだと思います。

フェンスの形状を壊す(左)/表面の質感を設定(右)

フェンスの形状を壊す(左)/表面の質感を設定(右)

――Shadeを使うことで制作時間が短くなるとか、そんな効果もありましたか?

奥:制作時間というより、表現力が格段に向上することのほうが大きいんですよ。僕はリアリティにこだわって絵を作っているので、Shadeのおかげでイメージどおりの絵を表現しやすくなりました。もちろん、楽をするために3DCGを導入しているマンガ家さんもいるとは思うのですが、僕の場合は省力化というより表現力が重要なんです。

――そうなんですか。Shadeを使った「リアルな表現」の具体例を教えていただけますか?

奥:建物とか武器とかでShadeはよく使ってますけど、わかりやすいのはフェンスかな。まずShadeでフェンスの形状を作って、それをCINEMA 4Dに持って行って壊します。

背景画像のベース完成(左)/効果を描き込み(右)

背景画像のベース完成(左)/効果を描き込み(右)

――壊すんですか?

奥:そう。僕のマンガは、モノが壊れるシーンが多いから(笑) それで、CINEMA 4Dで壊した形状を、Shadeに戻してレンダリングするんです。こうすると、破壊前のフェンスと破壊後のフェンスが、同じサイズでシーンに置けるわけですね。もちろん3Dで作っているので、破壊前後でどんなに視点を移動しても、フェンスの見え方が破綻しません。

――なるほど、こだわってますねぇ。本当に時間がかかりそうです。

奥:そうそう。だから、一発でモノを壊せるプラグインとか、Shadeについてくれたらうれしいんですよね。あ、でも、それで喜ぶのは僕だけなのかな?(笑)

アタリに合わせて絵を描画(左)/絵に着色(右)

アタリに合わせて絵を描画(左)/絵に着色(右)

――どうでしょう?(笑) でも、開発チームに話して検討してみますね。ちょうどShadeの機能に対するリクエストが出ましたので、他にもリクエストがあれば、ぜひお聞かせください。

奥:最新の、日用品の素材が欲しいんです。これまでも森シリーズやプロダクトデータ集などの素材集にはとてもお世話になってきましたが、登場人物が持つ携帯電話や室内に置かれている液晶テレビ、大きいものではコンビニやファストフード店など、リアルさの演出に必要な日常のアイテムがあるといいですね。たぶん、これは僕だけじゃなくて、他のマンガ家さんもみんな欲しがるんじゃないかなぁ。だって、こういった小物を実際に全部モデリングするのは、とても大変じゃないですか。でも、日常のリアルさを表現するには、小物こそが重要なんです。

集中線と文字を追加して完成

集中線と文字を追加して完成

――なるほど。とても参考になります。これも、開発チームと相談してみますね。では最後に、奥先生がShadeを使ってマンガを描く際の、コツのようなものがあったら教えていただけますか?

奥:必ず、ペンで描くことです。デジタルで出来上がった原稿にペンを入れることで、はじめて思ったとおりの絵に仕上げられるんですよ。ペンを入れないと、完成した感じがしないんですね。Shadeだけでもなく、ペンだけでもなく、すべてが一緒になることで最高の表現ができるんです。

――なるほど。Shadeも道具のひとつで、最後にはやはりペンの力が必要になる、と。個性的で魅力的な作品を生み出すための、奥先生のこだわりが垣間見えたような気がします。

奥:本当は、Shadeだけで何でもできて最高! なんて話が聞きたかったんじゃないですか?(笑)

――ええ、実は(笑) でも、貴重なお話をお聞きできて、本当に良かったです。お忙しい中、厚かましい取材のお願いにご対応いただいて、ありがとうございました。でも、厚かましいついでに、もうひとつお願いが。

奥:なんでしょう?

――ちょこっとでいいので、Shadeのパッケージに使われているHanakoを、奥先生のマンガに出演させていただいたりできませんか?(笑)

奥:おっ、かわいいですね。考えておきますね(笑)


(聞き手:たきざわ)

※このインタビューは2008年3月に行われたものです。

Shade上で配置した素材 コマのアタリ フェンスの形状を壊す 表面の質感を設定 背景画像のベース完成 効果を描き込み アタリに合わせて人物を描画 人物に着色

アーティストホームページ:GANTZ - Web YOUNG JUMPhttp://yj.shueisha.co.jp/manga/gantz/index.html

(C)HIROYA OKU 2008
掲載されている記事/画像の転載を禁止します。

▲ページ上部へ

こちらの製品もおすすめ