第2回 トゥーンレンダラ
楽しそうな新機能から
グミ:それでは、これからShade 10の魅力について話していきましょう。最初は、誰でもすぐに楽しめるような新機能からどうでしょうか。
○○:そういうことなら、ずばり「トゥーンレンダラ」でしょう。
グミ:その声は、開発メンバーのモグラのコチョウさん。いきなり乱入ですか。
コチョウ:ええ、これでもう漫画ソフトいらずですよ。
グミ:自信満々ですね。
コチョウ:私が作ったわけではないですけど。またきます。
グミ:えっ、それだけですか。
エンディ:あの人はいつも大げさなんですよね。トゥーンレンダラは、輪郭線と陰影の階調だけの絵を作ってくれるレンダリング機能で、セルアニメ風やスケッチ調のイメージ作成が可能なものです。Shade 8から装備されていますよ。
ティーヨ:ええ、面白い機能なんですが、輪郭線のありなしと単純な陰影の設定しかないので、限られた表現しかできなかったんです。ブーリアンレンダリング(※)に対応していないなど、制限事項もいくつかありました。
エンディ:今回のトゥーンレンダラでは、セルアニメ、鉛筆画、マンガ原稿といった設定モードが加わってますね。
ティーヨ:そう、セルアニメではべたの塗りつぶし、鉛筆画では手でしゃっしゃっとやったような陰影表現が行えます。
グミ:マンガ原稿ってのは何ですか。
ティーヨ:マンガ原稿では、網点のトーン変化による陰影とハイライト表現が簡単に設定できるようになっています。これらの設定は詳細なアレンジやブレンドが可能で、強力なカスタマイズ機能も備わっているのです。
グミ:ほう、コチョウさんの発言にも、うなずける部分があるんですね。
Shade 10の新しい使い方
ヘイ:あのみなさん、漫画、漫画っていってますけどね。新しいトゥーンレンダラの本当の魅力をご存知ないようです。
グミ:ほう。
ヘイ:ズバリ言いましょう。これは、ビジネス用の新機能なんです。
エンディ、ティーヨ:なんですと!
ヘイ:設定モードをよく見てください。「テクニカルイラスト」ってのがあるで
しょう。これを使うと、家具や車や電化製品の3Dイラストができちゃうんです。
もちろん建築のプレゼン用パースなんかにもばっちりです。
エンディ:それはShade 8や9のときにもできたはずじゃないですか。
ヘイ:ええ、でも、前のトゥーンレンダラでは単に輪郭線を出すだけだったので、あまり凝った絵が作れなかったのです。Shade 10のトゥーンレンダラでは、絵の外側の輪郭、物体の角などを表す線、形が重なった部分の交差線、本来は隠れて見えない陰線など、それぞれ別々に、ありなし、線の色、太さ、ノイズなどを細かく調整できるんですよ。
グミ:では、工業製品の取説(※)とかによく出てくる商品のイラストにも最適なわけですね。
ヘイ:グミさん、冴えてますね。そうなんですよ。3Dデータを一度作っておけば、どの部分を説明するときにもイラスト画像を作るのは簡単になります。
ティーヨ:でもヘイさん、画像だけでは使いづらくないですか。どうしても、イラストに線や数字を加えたくなりますよね。それに、解像度を変更したときの印刷がきびしくなる…。
ヘイ:ティーヨさん勉強不足ですよ、今度のShade 10では、トゥーンレンダラで設定したラインをベクトルデータではきだせるんです。
ティーヨ:じゃあ、Shadeで作ったイラストが、AdobeのIllustraltorとかで読み込めるんですか。しかも、陰線を消去した状態で! つまり、.ai形式と.swf形式で出力できるんですね。こ、これは最高です。
ヘイ:知ってるじゃないですか。
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