第14回 レンダリング
コチョーさん再登場
|
プリズムを使ったコースティクスの例 |
グミ:やっと、きました。3Dソフトの花形、レンダリング(画像作成)の話題です。
ティーヨ:インターフェイスやデータ利用関係の話がメインだったですものねえ。
グミ:Shade 10では、トゥーンレンダラー以外に、レンダリング機能の変化はあまりないってことでしょうか。
エンディ:グローバルイルミネーション(大域照明)が強化されましたよ。
ティーヨ:パストレーシング+フォトンマッピングが同時に使えるようになったんですね。
ヘイ:イラディアンスキャッシュとフォトンマッピングの計算結果が再利用できるのもの大きいです。
グミ:全然意味がわかりません。
コチョー:グミさん、私が解説を手伝いましょう。
グミ:あ、久しぶりです。コチョーさん。
ヘイ:まず、パストトレーシングだけではできないコースティクス(※)の表現が、フォトンマッピングと併用することによって実現します。
コチョー:運転しているパパの腕時計に太陽が反射して車の天井に光が踊って子供が喜ぶやつですね。
ティーヨ:…。それから、フォトンマッピングだけの場合に生じがちな画像のもやもやが解消します。そして、光が直接あたらない暗い部分がきれいに表現できるようになります。
コチョー:番頭さんの机の下にころがっているソロバンとか、間接照明のエレベータの天井のよごれとかですね。
グミ:でも、両方を足して計算するとよけいに時間がかかるんじゃないですか。
ヘイ:品質設定を粗くしてもきれいな結果が得られるので、結果的にそんなに遅くならないんですよ。
イラディアンスキャッシュ
グミ:インディアンのキッシュってのは?
コチョー:インディアンキッシュはですね、インドのフランス料理で…。
ティーヨ:違いますよ。それにインドのフランス料理ってなんですか。
コチョー:イラディアンスキャッシュは、大域照明をパストレにしたときの計算を早くしてくれたり、品質を調整するのに便利な食べ物なのですが…。
ティーヨ:コチョーさん。
コチョー:とにかくそれを保存して使える(※)ようになったんですよ。フォトンマッピングの計算結果も保存して使えます。
グミ:保存できると何がいいのですか。
コチョー:詳しくはここを!
グミ:投げてどうする。
ヘイ:パストレの「キャッシュトレランス」やフォトンの「収集スケール」などのパラメータをいじって何回もレンダリングをやり直すことがよくあるのですが、そんなときでもこれまでの計算結果を使えるので、すっごく速くなります。
ティーヨ:カメラが動いても計算結果を使えるので、グローバルイルミネーションを使ったウオークスルームービーの作成も実質可能になりました。
ヘイ:それから、Shade Grid(※)でもイラディアンスキャッシュが使えるようになってます。複数台マシンで計算させるときにより高速化が実現しました。
エンディ:従来のスキャンラインレンダリングに代わって、高速レイトレーシングモード「ドラフトレイトレーシング」も装備されましたね。
ティーヨ:Shade 10では、最新の技術を使った3DCGレンダリングのしくみが全部整ったと言えます。これからのユーザーさんによる活用とソフトウェアの充実発展が楽しみです。
|