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待望のWindows版の登場
大胆な価格設定によって3DCGをあらゆる方面へ認知させたShadeの新しいバージョンは意外と早くやってきた。1996年の12月には「Shade Professional R1」、「Shade Personal R1」がリリースされる。価格はそれぞれ148,000円、23,000円である。Personalはサイズに制限があるものの、レイトレーシングレンダリングが可能となった。
さらに同年にはWindowsでも動作する「GUMDAM VIRTUAL MODELER PRO」をリリースし、今後のShadeのWindowsへの展開を期待させる。「GUMDAM VIRTUAL MODELER PRO」とはガンダムの形状データと、そのデータの編集やレンダリングが可能なShade Viewerが搭載された製品で、任意のジオラマを作成することが可能になるものだった。
そして、満を持して6月に待望のWindows版「Shade debut」を発売。既に発売されていた「Shade R1」シリーズの機能をすべて搭載していたわけではなかったが、19,800円という価格と、当時Windowsで手軽に3DCGを楽しむことのできるソフトが少なかったこと、そしてMacintosh版で既に評価を得ていたShadeのWindowsへの移植を求む声も上がっていたことなどから大きな注目を浴びた。
Shade debut
先行発売されたWindows World Expoでは4日間の期間中に500本のShade debutが売り切れるという事態も発生した。
エントリーモデルの登場
97年8月にはMacintosh版の「Shade R2」シリーズをリリース。同年12月には人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の形状集をリリース。全部で3タイトルがリリースされた。翌98年4月にはShade Personal Plus (Macintosh) 、Shade debut Plus (Windows) といった49,600円のミドルレンジの製品をリリース。さらに8月にはWindows版にも「Shade Professional R2」が登場する。
そして9月、11月にはMacintosh版、Windows版のエントリーモデル「iShade」、「myShade」が登場する。基本機能が搭載されつつ9,800円という価格で、このソフトウエアの登場により3DCGのユーザ層は急増する。「iShade」はもともとはiMacの発売を記念したキャンペーン製品であったが、iMacブームと呼応して爆発的な大ヒットになった。
このエントリーモデルの発売に前後して各月刊誌で毎月特集が組まれるソフトへと成長し、関連書籍も数冊だったものが50冊を超えるほどになりShadeの認知度は飛躍的に向上する。これによって、Shadeの人気は不動のものとなる。実際にiShade / myShadeは2Dを含めたグラフィックというカテゴリーにおいて、販売実績連続一位を独走した。
加えて3DCGキャラクターとして初めて「週間ヤングジャンプ」のグラビアを飾った「テライユキ」が登場し、多くのPCユーザに3DCGを身近に感じさせるきっかけとなる。

以後、多くのデジタルビューティーシリーズが後に続いた。
テライユキ
漫画家くつぎけんいち氏によって生み出された3DCG美少女キャラクタ。それまで3DCGに興味がなかった人々をも巻き込む大ブームを起こした。

そして、早くも12月には「Shade R3」シリーズのMacintosh版、翌99年3月には同じくWindows版がリリースされる。このバージョンよりMacintosh版とWindows版の製品仕様が統一された。ソースコードの一新によりマルチプラットフォームに対応し、より開発効率が向上したものとなっている。
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