開発者からのメッセージ〜その3
使いやすさを追求したレンダリング機能〜開発者からのコメント
イーフロンティア 開発部 Shade開発課 西坂 仁志
操作性の向上
Shade 8では、「使いやすさ」をテーマに様々な部分のインターフェイスを改良しましたが、レンダリング作業に関して様々なインターフェイスを見直しています。
特に使用頻度の高い部分レンダリング「dpiプラグイン」として搭載されてきた機能も、インターフェイスを全面的に変更するなど、機能の使いやすさを向上させています。
Shade 8のレンダリング機能は、手触りのよいツールになっていると確信しています。
豊かな表現力
Shade 8には、多数の要望を頂いたトゥーンレンダリングを搭載しています。オブジェクトごとにトゥーン効果や多段影の設定を行うことができるため、写実的な背景とアニメーション風のキャラクターを同時にレンダリングすることも可能です。
CALLISTO 2には、トランスルーセントシェーダーやメタリックシェーダーといった、工業デザインの表現に最適な機能を追加搭載しました。
トゥーンレンダリングでスケッチ段階のプレゼンテーション、CALLISTO 2で写真画質のプレゼンテーションを行うなど、アニメーション風のレンダリングだけにとどまらない表現力を、Shade 8では用いることが可能です。
スピード、スピード、スピード
一秒でも早いレンダリングのために、様々な手を尽くしました。
Windows版ではSSE対応を進め、AMDプロセッサでの検証も重ねています。Mac OS X版ではMac OS X 10.4やG5プロセッサへの最適化を行うために、XCode 2.0でビルドアップしています。
また、建築パース制作で手放せないラジオシティは、1.5倍以上の速度向上を果たしています。
複数のコンピュータを用いて一枚の絵をレンダリングすることができるレンダリングサーバ機能も、通信方式の見直しや効率化、サーバの自動検出機能などを搭載し、将来のShadeにおいて重要な機能とするために、ShadeGridと命名しました。ShadeGridのパワーをすべてのShadeユーザが扱えるように、basic、standard版でもShadeGridを搭載しました。
使いやすさを追求したレンダリング機能
→レンダリングに関する新機能をもっと詳しく見る
トゥーンレンダリング (professional/standardに搭載)
形状の輪郭線や段差の線、そして段階的なトーンによってセルアニメーション風のレンダリングイメージを作り出すトゥーンレンダリング機能を搭載しました。
プレビューウインドウを見ながら、形状ごとに輪郭の太さや階調数を設定することが可能です。
セルアニメーション作成だけでなく、工業デザインや建築デザインのラフスケッチにも用いることが可能です。
トゥーンレンダリング作例
Callisto 2 (professionalのみに搭載)
トランスルーセント
半透明な材質を扱うトランスルーセントシェーダー、ラメ塗装を再現できるメタリックシェーダーを搭載し、プロダクトデザインで一般的に用いられる、より幅広い材質を表現することができます。
Radiosity 3 (professionalのみに搭載)
Radiosity Proのエンジンが強化され、線形状、自由曲面の分割方法を最適化しました。
これにより、Radiosity利用時のモデリング修正の手間が大幅に低減します。
また、ラジオシティ計算の速度が最大1.5倍に向上し、納期の厳しい建築パースの作成を強く支援します。
部分レンダリング
部分レンダリングの操作(ムービー)
従来、キーボード併用のショートカットのみで操作していた部分レンダリングのインターフェイスを見直しました。マウスオペレーションだけで部分レンダリングの範囲を簡単に設定でき、レンダリングを実行することが可能になりました。
部分レンダリングの領域はマウスでの微調整が可能となり、また、位置も記憶するため同じ場所の部分レンダリングを何度でも行うことが可能になりました。
部分的な変更によるバリエーションの作成や部分的な修正を正確に行うことで、制作終了間際の修正にかかる時間を低減することができます。
レンダリングサイズ/解像度設定
部分レンダリングの操作(ムービー)
レンダリングイメージの解像度設定がより簡単になりました。プリセット機能が追加され、標準定義されたサイズとユーザが追加定義出来るサイズから簡単に設定する事が可能です。
例えば、10cm×14cmで350dpiのレンダリングサイズを入力することで、1377×1929ピクセルのレンダリングイメージを設定することが可能です。 レンダリング時間を軽減する方法はいくつもありますが、必要充分なサイズでのレンダリングを行うことが容易になるため、作業の無駄を省くことができます。
ShadeGrid
ShadeGridは、複数のコンピュータのCPUパワーを用いて、レンダリングを高速化することができる機能です。
ShadeからShadeGridを利用する場合は、同一のネットワーク内にShadeGrid Serverが起動しているコンピュータがあることを確認し、イメージウインドウの設定にある「ShadeGridを使う」にチェックするだけの簡単設定で、ネットワークレンダリングが開始します。同じコンピュータを2台(片方でShadeアプリケーション、もう一方でShadeGrid Serverを起動します)用いた場合には、最高1.8倍の速度向上が可能になります。
この機能をShade 8からは全グレードに用意しました。
※basic、standardでは1サーバのみ
※速度はネットワーク環境、レンダリング内容によって変化します。
最新プロセッサ及び64bit OSへの対応
従来のCPU、OSでも速度向上は努力していますが、絶対的パフォーマンスでレンダリングで1秒でも速くしたい方の為に最新プロセッサ及び64bit OSに積極対応いたしました。
Mac OS X版では、PowerPC G5専用版を用意、PowerPC G4/G3と比較して同一マシン上で平均1.1倍の速度向上しました。
Windows版では最新デュアルコアプロセッサに対応し、シングルコアプロセッサと比較して平均1.8倍の速度向上を果たしています。
また、さらなる速度向上と実装できる限りのメモリに対応した64bitネイティブ版(Windowsのみ)を、Shade 8の登録ユーザーに無償アップデータにて提供する予定です。
※WindowsXP x64版(64bit版)は2005年秋提供予定
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