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Shadeユーザー訪問記_園田浩二

【2008年5月29日】 第2回:園田浩二(後編)

Shadeユーザーはもっと声をあげよう!

ef:ユーザーとふれあう事の多い園田さんから見て、Shadeユーザーってどう思いますか?

レンダリングが苦手な私でも、簡単にそれなりの絵が出せるようになって、パストレーシング様々です。

園田:どの3Dソフトでもそうなんですが、モデリング(※14)が得意な人とレンダリング(※15)が得意な人と分かれますね。 両方得意な人もいますが。 自分はモデラー系ですね。 逆にレンダリングは結構いい加減になっちゃいます。Shadeが使えないという人の中には、絵がそもそもかけない人も多いみたいなんですよ。 平面で絵を描くツールが、立体的に描けるように進化したのがShadeという位置付けになります。 Shadeはベジエ曲線でモデリングするツールなので、絵がある程度かける人にはとても使いやすいと思うんですけどね。 でもモデリングが苦手だという人でも、実はレンダリングのセンスがある、というケースも少なくないのでどんどんチャレンジして欲しいと思います。 写真撮影でも撮るブツを作る人とカメラマンはやはり別々じゃないですか。 これからは才能をどんどん分業していって欲しいですね。

ef:そういった才能が出会う場として"画像投稿機"(※16)がある訳ですね。

teraiyuki
デジタルビューティー classic テライユキ
美少女CGブームに火を付けた、あの『テライユキ』の全てを収録した3DCG形状データ集。デジタルビューティー classic シリーズ第一弾。

テライユキ ©2005 Ken-ichi Kutsugi /extage All rights reserved.

園田:そうですね。 最近はかなり良い作品が多いので見てて感心しますよね。
ただ、デジタルの時代になってクリエイターにとって厳しくなったのは事実だと思います。 最近はちょっと良い作品を作っていただけでは、プログラム側の新しい技術でアっという間に追い抜かれてしまうケースも増えてきました。 作品を作るのか、技術を使いこなすのか、境目が難しいのだと思います。 もちろん、どちらも重要なんですが。 でも、絵として本当に良い物は時間が経っても残っていくものだと思います。 まぁ、"その時代の"といった前提が付くかもしれませんが。 そう、Shadeってやはり道具なんですよ! 道具を使いこなすかどうかは、やはりその人に依存するところはありますからね。 Shadeは、後に残る作品を普通の人が残せる道具であり続けて欲しいと思います。
たとえば、ハリウッドの大作映画で使われた!って宣伝している3Dソフトがあるじゃないですか。 でも、あれは優れた実写素材やシナリオ、音楽と組み合わされて一つの作品となっている物が多い訳です。 つまり、それは一つのソフトだけでできあがった世界ではない事はなかなか理解してもらえない。 そういった世界に憧れても、それは簡単に手の届くところに無い訳です。 そういった意味でShadeの画像投稿機はユーザーの作品がたくさん見られますから、目標も可能性もとても身近でわかりやすい所にある。 それってもの凄く重要な事だと思うんですよ。
ただ、誤解して欲しくないのは、Shadeで作られた商用作品もたくさんあります。 Shadeではハリウッド作品のようなCGは作れないと思い込むのは勘弁して欲しいですね。 そうやって自ら可能性を塞いでしまうのが一番もったいないと思うんですよ。 特にShadeは安い入門用からラインナップを揃えていますから、Shadeで作ったという事が恥ずかしいと思い込んでいる人すらいる。 それは本当に大きな大きな誤解だと思います。 たとえば、今ここで3Dの有名なキャラクタを思い浮かべてみてください。 それって、実は映画やゲームなどの登場人物じゃありませんか? 実はテライユキ(※17)みたいに、ユーザーの方が作って一人歩きした有名キャラクタが複数いる市販3Dソフトってほとんど無いんですよ。 それはなぜか、といったらShadeにはそういった物を作れる何かがある、と。 だから、もっともっとShadeで作ったという事を大きな声で言って欲しい。 声を上げると、色々な声が集まってきますから。 逆に言えば、黙っていたら何も集まらない。 当たり前ですけど忘れがちな事です。 すると、その中に自分とは違った才能を持った人が現れるかもしれない。 似たような才能を持った人から未知のテクニックを教えてもらえるかもしれない。 そうやって、ユーザーも、そしてShadeも成長していくべきと思うんですよ。

最新作 Shade 10について

ef:最後にShade 10シリーズについて、何かお願いします。

02

園田:3Dソフトは色々あるし、他の専門ソフトなんかのとんがった所がある物と比較されると辛いなぁと思うところはありますね。 Shadeはこれ一本で何でもできる統合3Dソフトですから。 ただ、やはり3Dソフトとしてはバランスが取れたソフトだと思います。 もちろん、そういったとんがったソフトの良いところがある、というのもわかるんですよ。 若いShadeのプログラマで他社ソフトの機能とかを調べて、良いところを取り入れようとしているのがいる訳ですよ。 技術音痴の自分にはできないことなので感心してます。 まぁ、わかりやすく使えるようにしてくれたプログラマ達はすごく偉いんだけど、彼らは宇宙人ですから(笑)。 使い手側との微妙な感覚差が発生する事もあります。
ただ、個人的にはShadeは道具なんだから「綺麗ならいいじゃん」って気持ちもあるんですよ。 だから機能が実装されるまでは「現状でいいじゃない?」とか思っていたりするんですが、実際に実装されると「あぁ、これっていいなぁ」って。節操ないですね(笑)。
今回でいえば、マニピュレータとかUVマッピング機能なんかがそうですね。 特にUVマッピングは便利になりましたんで、活用して欲しいですね。 これで透視図を投影したりとか、工夫次第で色々な事ができますよ。 パストレーシングはノイズも減って速度も上がり、特殊な知識がなくても押せば綺麗な画像ができるという世界ができあがったと思いますから、ぜひ試して欲しいですね。 それから、フォトンマップのキャッシュが強力になりましたから、レンダリングにかかる時間もかなり少なくなりました。
実はShadeって毎回毎回中身は一生懸命書き直しているんですよ。 だから最新の環境とかへの対応が早いのですが。 こういったソフトでは、古いプログラムが残っているが為に最新の技術に対応できない事がよくあるんですが、Shadeではそんな事は無い訳です。 でも、中身が毎回新しくなっているのに、今まで外見が変わっていないために損をしていたと感じるところはあります。 もったいないですよね。

hair

ef:ぜひ活用して欲しい機能とかはありますか?

園田:そうですね。 まぁ全機能そうなんですが、ヘアーサロンのファー機能はお勧めですよ。 髪の毛が一本一本リアルに書き出されますので、キャラクタ作成には欠かせません。 これはプログラム技術が、人のテクニックをフォローしていく良い例といえますよね。 他にもトゥーンレンダラーのEPS形式書き出しは便利ですよ。 マイナーな所で強いて言うとプラグアンドソケットとかはもっと使って欲しいですよね。 それから、自由曲面変形ってみんな使い方が判らないって人も多いですけど、ある形状をスプラインの形状に納めてしまうのは、ありそうでない機能ですから。

ef:みなさんが気になるであろうShadeの次回作について、何かありますか?

園田:いや(笑)。 Shade 10が出たばっかりなんで勘弁してください。

ef:本日は、お忙しい中ありがとうございました。

【まとめ】

Shade 10のセミナーでお忙しい中、時間を割いてのインタビューでした。
もしお近くで園田さんのセミナーが開催されていたら、ぜひご覧ください。 とても面白いですよ。
もし、機会があったなら園田さんに話しかけてみてください。 きっと彼がなぜ"神様"と呼ばれているのか、なんとなくわかるんじゃないかな?と思います。
最後に園田さんは、"予定通り"インタビュー時間をオーバーして楽しいお話をしてくださった事を補足しておきます。

Shadeシリーズをお持ちの方へ:
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Shadeシリーズをお持ちでない方へ:
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Shadeが欲しくなった。
Shadeに興味を持ったが、購入はまだ迷っている。
記事は面白いが、Shadeには興味がない。
記事がつまらない。

※14 モデリング … 3Dソフトで物体の形状を作成する事。 写真撮影の"撮るブツを作る人"に相当。

※15 レンダリング … モデリングしたデータを画像化する事。 写真撮影の"カメラマン"に相当。

※16 画像投稿機 … 2008年まで存在したイーフロンティア主催のShadeユーザーの為の画像投稿掲示板。artist sideの前身。

※17 テライユキ … 漫画家・くつぎけんいち氏がShadeで作成したバーチャルアイドル。 発表と共に大変な話題となり、後にCM出演を果たす。 実質的なバーチャルアイドルの先駆けとの声も。 Shade用、Poser用のデータも販売中。 モデリングの苦手な方はぜひ!

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