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~大妻女子大生にとっての Shade~

【2009年2月12日】
第10回:大妻女子大学 家政学部 被服学科 染織デザイン研究室
山本正記先生

~大妻女子大生にとってのShade~

大妻女子大学で実際に行われている授業の現場にお邪魔して、山本正記先生にお話をうかがいました。
実際の授業では、山本先生と助手の先生2名が授業の進捗に合わせて30名ほどの学生さんたちをヘルプしていました。

(聞き手:安藤健一 株式会社イーフロンティア 代表取締役)

デジタルへの抵抗がない女子大生たち

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安藤健一(以下、安藤):学生さんたちの作品を拝見したんですけど、みなさん本当に上手ですね!
でも、女子大の被服学科でCGの授業というのは、ちょっと不思議な気もします。

山本正記(以下、山本):ここは被服をつくることを総合的に学ぶ学科ですが、学生たちはデザインワーク全般に興味を持っています。伝統的なカリキュラムでは被服の基本的なスキルを身につけることが中心ですが、私のCGの授業では、学生たちには彼女たちの感性を作品に反映させる能力を身につけてほしいと思っているんです。Shadeに触れることで、より自由な表現ができるようになってくれるといいですね。

当然ながら、服をつくる工程にもデジタル化の波はおとずれています。被服の最先端の現場ではCADが使われていますし、デザインコンセプトの立案に3Dツールを積極的に活用しているデザイナーもいらっしゃいます。ですが、この授業ではそういった技術スキルよりも、コンピュータデザインに慣れ親しんでもらうことを重視して、将来のいろんなきっかけになってもらえればと思っています。

実際のところ、手書きで絵を描くことが専門ではない彼女たちには、3Dツールというのは非常にいい影響を与えています。とにかくみんな楽しんでShadeを使っていますよ。素直に童心にかえって、描くことの楽しさを見いだしてくれているようです。

描き方を誰かから押し付けられてその通りに描かなければならないと、それは「創作」ではなく不自由な「操作」でしかなくなってしまいます。その意味では、Shadeというツールが、いろんなスタイルの「創作」を許してくれるツールなので、学生たちも楽しんで描けるんだと思います。教えるこっちとしては時々びっくりするんですけど、私が教えた手順ではなく、マニュアルにも載っていないような面白い使い方を編み出している子もいますよ。

安藤:トーストの焦げ目や表面のザラザラ感を、ソリッドテクスチャの「雲」の設定を使って表現している学生さんもいましたね。ちょっと目からウロコでした。
授業をされていて、何か特別ご配慮されていることはございますか?

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山本:彼女たちはつい最近までCGツールなんて触ったこともない学生たちです。だから、まずは描くことの楽しさを知ってもらう、ということが何より大事ですね。
課題のデザインテーマを与えて、実際に描いてみせます。まずは私の描く方法をまねてもらう。あとは、私と助手の先生たちで手分けをして、一人ずつ手助けをしていきます。学生どうしが教え合ったりして、かなりにぎやかな感じで授業は進んでいきます。

安藤:ちょっと助手の先生方にもお話を聞かせてください。先生はもともと3Dツールを触れられたことはあったんですか?

助手:私たちもつい半年ぐらい前、学生と同時に始めました。そういう意味では、私たちもShadeの学生です。学生のアシストをしなくてはならないので大変ですが、しばらくやってきて私自身が描くことの楽しさをわかってきました。3Dというのは奥行き方向にも線を描くわけですので、頭が混乱してしまいがちですが、自分が思ったところにちゃんとラインが引けて、絵が出来上がっていくことの喜びは格別ですね。学生以上に楽しんじゃっていますよ。
学生たちも、わからないことが解決していくとき、何ともいえない快感があるようです。まるで推理ゲームを解いていくような感じなんでしょうね。

安藤:それにしても学生の皆さんはパソコンを自由に操っていますね。私の学生のときとはだいぶ違いますね。
彼女たちは普段の学生生活で、毎日パソコンと格闘しているわけではないと思うのですが、授業を進める上では、パソコン操作の基礎でつまずいたりしませんか?

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山本:いえいえ、そんなことはないですよ。最近の学生たちは驚くほど馴染んでいます。完全に生活の一部になっているようですね。

安藤:そうなんですか。やっぱりそういう時代になんでしょうか。少し学生さんにも聞いていいですか?パソコンは普段使ったり持っていたりしますか?

学生:はい。大学に入学した当初から使っています。卒業論文や授業の課題を書くためにも必要ですし、就職活動するにも必要ですから、毎日使っています。

感性をアウトプットする基礎教育

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安藤:山本先生、被服学科の授業でShadeを選んでいただいた決め手みたいなものはございましたか?

山本:何よりもまず、学生たちが3DCGを気に入ったときに、ソフトを自分で買えることが重要だと思いました。授業では最高グレードのShadeProfessionalを学生たちに経験させていますが、自分でやってみようと思った学生でも、ShadeBasicであれば買うことができます。パソコン自体がこれだけ身近になっていますから、ソフトウエアも手頃な値段から始められることは、とても嬉しいことです。Shadeは国産で親しみやすいですし。
もちろん、学生たちとの相性の良さも考えました。初心者にとって一番のハードルは、モデリングをする際の「空間把握」です。パソコンの画面の中で奥行きがあるものを描いていく、という感覚をつかむのが大変なんですね。服も立体的な造形ですから、学生たちも頭の中では描けている。その直感をアウトプットする訓練には、ベジェ曲線で輪郭をなぞれるShadeは最適だと思うんです。あとは、仕上がりのレンダリングの美しさ。我々にとっては、シルエットが命ですから。
まさにShadeですね(笑)Shadeを使いこなすという点では彼女たちはまだ初心者ですが、この授業で学生たちがShadeに触れた経験は、将来彼女たちが社会に出てからきっと役立つと思うんです。教えている側からしても、感性をアウトプットする基礎教育は大変有意義だと感じています。
私の授業で蒔いたこの種が、彼女たちの中で将来どんな芽を出してくれるのか、とても楽しみです。

生み出す喜びを!

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山本:クリエイティブな活動というのは、結局のところ自分の心の奥底まで入り込んで、隠れているものを引っ張りだしてやらないといけない作業です。ご存知のとおり、これはとても大変なことですよね。コンピュータ環境が整備されても、簡単になるのは実際に手を動かす部分だけで、クリエイティブな活動の本質の部分は、変わらず大変なわけです。
だからこそ、コンピュータがそれを邪魔してはいけません。あくまでも、人の感性が上位にあって、縁の下の力持ちとしてコンピュータが手伝ってくれたらいい。コンピュータのサポートを受けて、パーソナルな環境ですべてが完結できることこそが、矛盾のない作品を生み出す唯一の方法なんだと思っています。

安藤:パーソナルな環境で3DCGのすべてが実現できるように、というShadeの開発コンセプトと同じですね。これからもお役に立てるように努力いたします。
3Dは映像として必要とされるだけでなく、こういったモノ作りの縁の下で活躍するシーンが増えてきました。モノを生み出す喜びのサポート役として、我々も成長していきたいと願っています。

山本:学生たちにも、モノを生み出す喜びをたくさん経験してもらいたいですね。この学校ではそのスタートラインの教育を行っています。Shadeで描き出す経験も、学生たちの貴重な経験になっていると思います。
今の時代はコンピュータを駆使していろんな挑戦ができますので、私自身も新しく生み出す喜びをつねに追いかけていきたいと思っています。
最近はバーチャル空間でファッションショーが行われたりしたら、すぐエントリーしたいなあ、などと考えたりしています。

安藤:それならShadeで作られたHanakoというキャラクターがいますので、そのときはぜひモデルで雇ってください。学生さんたちの作ったデザインの服を着せて、バーチャル・ファッションショーができるといいですね。
6月からは提携しているAvatarReality社が提供するBlueMarsというバーチャル空間サービスが始まります。従来のバーチャル空間より遥かにスゴい表現力が特徴ですので、ぜひ学生さんたちとご参加ください。

山本:いいですね!最初は布の形が比較的シンプルな和服のデザインだと、やりやすいかもしれません。世界に向けて和服をバーチャル・ファッションショーで発信!楽しそうですね。

安藤:今日はお忙しい中、授業にまでお邪魔させていただいて、ありがとうございました。

 

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