UIと表示機能
UIと表示機能
画面の表示機能には、レンダリングや各種設定に役立つ機能が多数追加されています。
立体視モニタへの対応、OpenGLコアプロファイル対応の進化などですが、その他のUIの変更点なども合わせてご紹介しましょう。
立体視モニタ(偏光方式3Dモニタ)に対応
実を言うとShadeの立体視生成用のオプションは、コンシューマ用としてばかりではなく、他に例を見ないほど充実しています。
Shadeは、3D映画「アバター」が大ヒットして、家庭向け3Dテレビを代表する立体視モニタが登場するはるか以前より、国内パソコンメーカー向けに技術提供していたからです。NVIDIA®のごく初期の3Dビュー施策からの取り組みなので、歴史は古い方になるでしょう。
Shade 3Dには、設定が難しいと言われる奥行きの自動設定や、画面の大きさに合わせた立体視、実際の画面に対して、何センチ前に結像するかなどのオプションを標準機能として既に実装済みです。
そしてさらに私達は「立体視コンテンツ制作者の利便性が飛躍的に向上するには、何が必要なのか?」このことについて深く追求しました。
今回、偏光方式3Dモニタに接続し、立体眼鏡を着用すれば、 Shade 3Dの通常の透視図上で直接立体視できるようになりました。
この機能により、Macユーザーの方でも、立体視対応のモニタを接続すれば、付属の立体眼鏡で快適な立体視を体感できるようになります。
通常のモデリングをしながら立体視できる体験は、さらに3D制作を楽しいものにしてくれることでしょう。
また3DCG制作者自身が、奥行き感の調整や、演出効果をプレビューを確認しながら設定を調節できます。これは、クリエイターのイメージをデリケートに、そしてタイムリーに制作活動に反映する有効な武器となることでしょう。
OpenGLコアプロファイル対応の進化
OpenGLを利用したシェーディング機能も、さらに実用的方向にチューニングし、格段に進化しました。
シェーディング表示にも実際のレンダリングでの効果をより反映できるようになったのです。
具体的には以下の通りです。
●色補正ウインドウのガンマその他の補正結果が、シェーディング画像でも反映されるようになりました。
これにより多灯照明時の全ての光源表示で、ハレーション(光飽和)の確認などがモデリング時でもできるようになります。
さらに色補正のガンマとイメージ形状のガンマも相互にシェーディングに反映されるので、リニアワークフローを意識した設定の手助けとなることでしょう。
OpenGLコアプロファイル非対応環境である場合は、図形ウインドウタイトルバー表示と自動非対応設定も備えています。
図形ウインドウの大域照明表示
従来からプレビューレンダリングによる大域照明画像は表示可能でしたが、今回はシェーディング表示での対応になります。
そのためプレビューレンダリングでは画面の更新まで時間がかかっていたものが、シェーディング表示の速度で確認できるようになりました。
すべての光源表示によるシェーディング表示
大域照明のシェーディング表示
プレビューレンダリングによる大域照明表示
これにより、照度の確認が楽になり、新機能の照度調節との連携が可能になります。
またシェーディング表示のシェーディングカラーオフで、大域照明の調子だけをホワイトモデルで確認することが可能になりました。
UIの整理と一覧性への改良、及びその他の新機能
ツールアイコンからしか呼び出せない機能をメニュー内にコマンドとして全て表示することを基本として、アクセス性の向上を目指し、コマンドパレットの改良を行ないました。登録方法がメニューの並びと統一され、使い易くなっています。
またマッピングのタイリング方法についてもミラーと周辺ピクセルの延伸が追加され、シームレスなマッピング素材の制作の手間が省けるようになりました。
ShadeExplorer、テンプレート機能のUIにも、より使いやすくなる改良が加えられています。
今回の、絵に生命を吹き込むレンダリング設定に関わるプレビュー表示機能の強化は、実務面でとても喜んでいただける方も多いと思います。
今後のアップデータで追加予定の機能として、ポリゴンメッシュの厚みツール、3Dプリントへのさらなる対応などいろいろと準備中です。これらの3Dプリントへの対応は、同時にモデリングまわりの進化も意味しますので私も楽しみにしています。機能の詳細は決まり次第、発表しますのでご期待ください。
また、今回ご紹介した機能のほかにも、ユーザビリティに主眼を置いた細かな改良点がまだまだあるのですが、それはまたの機会に。
Shade 3D ver.14では印刷マニュアルを一部廃止してデジタル版を提供させて頂くことになりました。オンライン化による最新情報のご提供と情報量の増強を目的とし、皆さんがお使いのiPadやAndroidタブレットなどのモバイル機器でも快適に利用できる環境づくりをめざして参ります。
もちろん今まで通りアプリケーション内のオンラインマニュアルも充実させて参りますのでご期待ください。
Shadeの新バージョン「Shade 3D ver.14」の情報はこちらをご覧ください。