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スペシャル
(掲載日:10.01.15)
Shadeの神様・園田浩二が超絶テクニックを徹底的に語るコーナー、それがShadeマニアックスです。
上級者限定の超ディープな内容をお届けします。
レンダリングブーリアンで本格カットグラスを作る~第3回~
本格カットグラスの作り方も後半に入りました。第3回をお送りします。
今回は、前回までの作業で作成した切削形状を、グラス上に配置する方法について解説していきます。ここを超えれば、後はレンダリングを残すのみ。頑張りましょう!
切削形状をグラス上に配置する
1パターン分のカット形状が全てトレースできたら、全部の自由曲面を複合選択し、形状の整列を使って、形状水平センターで、一箇所に集めます。
集めた結果はこのようになります。
グラスの径中心にセンターが合うように微調整します。
形状のセンターしか位置があっていませんので、そのままラインフィットの正投影を行ってもパターンがずれます。
(正投影をせず、最短距離のみでラインフィットをやると、カットパターンの滑らかさがグラス中心に向かってシュリンクする際に失われます。)
線形状のコントロールポイントを部分選択しながら、移動回転で、形状代を保つようにしながら、巻き付けていきます。
巻き付け方ですが、グラスのセンターとパターンのセンターが合っている状態ですので、パターンの片側の線形状を選択し、移動/回転ツールで、グラスと接しているパターンのセンターをクリックします。そうすると、指示線が出ますので形状の延長線上で、マウスボタンをプレスしてドラッグを開始し、パターンがグラスに接したら、ボタンをリリースします。
一度選択したポイントをシフトキー併用で再選択すると、選択解除されますので、残りのポイントをアクティブにし、接した形状上を移動/回転ツールでクリックし、残りのポイントを更に巻き付けていきます。
これを先端まで繰り返し、逆方向のポイントも同様にグラスに巻き付けます。
丁寧にやる場合は、各線形状の傾きをマニピュレータで回転し、よりグラスセンターから放射状に断面が配置されるようにした方が良いでしょう。
また、厳密にやるためには、各断面を数値入力等で回転配置した後に、自由曲面中に入れ、カットの輪郭エッジをトレースした方が正しい形状になります。
ですが、この方法は、著しくパターンデザイナーの方の発想法と異なる方法になると思いますので、要求される事に応じて、方法は取捨選択してみてください。
(Shadeはプレデザイン(発想)とポストデザイン(確認)のイメージ生成には強力な武器となりますが、設計に向いているとは言いがたいです。)
コップに近い方のカット稜線の2本とカット溝中央の線、都合3本が、ブラウザ中の自由曲面パートの5本の線形状の内の最上位と最下位を除いた中3本になっていますので、その3本と、グラスの回転体を複合選択します。
ブラウザ内で離れた位置にある形状を複合選択するにはCtrlキー(Mac OS X版の場合はコマンドキー)を使います。
選択し終わったら、モディファイからラインフィットを起動し、正面図で、正投影、距離0にしてフィットさせます。
5本のカット形状全ての中3 本をフィットさせたのがこの状態です。
カット溝センターの線形状を複合選択した状態で、シフトキーを押したままセレクションボックスを使って、線形状の両端のポイントをセレクトしないようにして、中のポイント全てをアクティブにします。
そのアクティブポイントをMove/拡大縮小を使って、グラス径中心をクリックし、上面図でシフトキーを使いながら、斜め45度の位置を掴んで、45度方向に斜めにドラッグし、形状を内側に縮めます。
本当は幅の細い方のカットパターンは浅くなるので、別に縮小してください。なお、このレジュメでは、それを知らない時期に作ったものなので、どちらのカットパターンも同じ深さでグラスを削っています。
一つのパターンをグラスセンターをクリックした回転移動で、位置をテンプレートに合わせます。明確な角度指定がある時は、Moveの数値入力で角度指定もできます。
カットパターンの交点を目安に、それぞれのパターン位置を回転移動で調整します。
調整し終わった状態です。
パートの中に包んでおきます。
さて、いよいよレンダリングに・・・というところで、今回はここまでです。カットグラス作成については、次回がついに最終回です。Shadeマニアックス自体はまだまだ続きますので、どうぞお楽しみに。
内容についてのご質問は、artist sideのコミュニティ「園田浩二のShade教室<プロダクト編>」までご遠慮なくどうぞ。園田自身がお答えします!