Shade 9では、Shadeを使っているすべてのユーザが必ず使用する最も重要な機能である「レンダリング」を大幅に強化しています。 |
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レイトレーシング/パストレーシングのスピードアップ
Shade 9ではシーンのどこに何が配置されているかをあらかじめ記憶する「空間分割」をチューニングして、レイトレーシングの速度を大幅に向上させました。
ほとんどのシーンでこの機能強化によるスピードアップを実感することができます。遠くまで見える地面のように大きな形状を含んだシーンでは前バージョンより10倍以上高速化できることもあります。 | |
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Shade 8とShade 9での速度比較 (いずれもMacBook Intel Core Duo 2GHzを使用)
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イラディアンスキャッシュ搭載
全体的なスピードアップに加え、最も大きなレンダリング機能強化が「イラディアンスキャッシュ」の搭載です。
写実的なCGを作成することができるパストレーシングを用いた大域照明では、ノイズを減らすために長いレンダリング時間を必要としてきました。Shade 9では新機能の「イラディアンスキャッシュ」によって実用的な画質を短時間で手に入れることができます。 |
Shade 9のレンダリング設定画面/大域照明設定
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パストレーシング間接光の計算結果をイラディアンスキャッシュに蓄えて再利用することで、従来は計算結果が異なっていたために発生していたノイズを減らしつつ速度も大幅に向上しています。
イラディアンスキャッシュの品質はイラディアンスキャッシュの
「キャッシュトレランス」と、「レイトレーシングの画質」で設定することができます。キャッシュトレランスで間接光の細かさを設定し、レイトレーシングの画質で間接光の計算精度を設定することができるので、イメージに合わせて最適な設定を簡単に行うことが可能です。
大域照明パストレーシングの大幅なスピードアップは、面の表裏や光・影漏れなどを気にすることなく、レンダリングブーリア
ンをはじめとする多くのShadeの機能で使うことができます。また、レイトレーシング/パストレーシングのスピードアップ効果と相まって、建築パースの作成でもその力を発揮することでしょう。 |
イラディアンスキャッシュの品質関連図
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他にも多数の機能強化
上にあげてきたような、実用性に直結する速度面・画質面での機能強化に加え、扱いやすさも大幅に向上しています。例えば、HDR背景を作成することも可能なパノラマレンダリング形式の追加や、レンダリング操作を行うイメージウインドウに、時:分:秒でのレンダリング時間表時、表示スケールの調整メニュー、幅/高さの数値指定を行うためのステータスバーを搭載するなどの改良を加えました。
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追加されたパノラマ設定
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イメージウインドウのステータスバー
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最後に
Shadeの第二の心臓部とも言えるレンダリング機能では、速度と実用性に焦点を置いて開発を進めてきました。
購入してすぐに効果を体験していただくために、この記事で用いた二つのShadeデータを、Shade 8シリーズで使用できる形式とShade 9用のデータの2種類用意しました。Shade 9用に設定された表面材質やレンダリング設定、新機能のイラディアンスキャッシュを活用したライティング設定を確認することができます。
このShade 9のパワーがあなたのものになるまで、あと14日です!
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(藤井太洋)
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Shade 9のレンダリング速度向上を確認していただけるサンプルファイルです。Shade 8をお持ちのユーザー様はShade 8用ファイルとShade 9専用ファイルでスピードアップしたShade 9のレンダリングパワーをぜひ体感してください。