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【2008年6月26日】
第3回:日本大学芸術学部 木村卓先生×イーフロンティア 安藤健一(代表取締役)
1つの表現手段としてShadeを利用
さまざまな原体験を授業に生かす(前編)
今回は、日本大学芸術学部デザイン学科コミュニケーションデザイン専攻で3年生の授業「コンピュータ・グラフィックス」と4年生のゼミを担当されている、木村卓先生(株式会社リンクス・デジワークス ディレクター)をご紹介します。
最近では、4月にリニューアルされたTBSテレビの「NEWS23」のオープニングCGを指名されて制作をされています。
80年代のCGの黎明期からパイオニアとして第一線で長年映像制作に携わってきた木村先生が、3DCG制作の基本を教えるのに活用しているのはShadeです。学校の授業から、CG表現のことまで幅広く語っていただきました。
デザインの一表現としてCGを加える
写真,左から木村卓先生、安藤 |
安藤健一(以下、安藤):感動の発信源でもある学校で活用していただけるのは、本当に嬉しいです。
デザインコンセプトから、いかにツールを使って人に感動を与えられるか、分かりやすいデザインを作れるかという声は大事にしていきたいと思っています。
まずは、木村さんの取り組んでいる授業について教えてください。
木村卓(以下、木村):日本大学芸術学部デザイン学科でコミュニケーションデザインを専攻する3年生の授業「コンピュータ・グラフィックス」と4年生のゼミを担当しています。 前期はShadeを使用して3DCG制作を体験してもらいながら、最終的に自分なりの表現というものを作っていきます。ここで興味を持った学生が、3DCGを専攻して4年でゼミを受けています。グラフィックスを扱うコミュニケーションデザインですが、2DデザインのPhotoshopやIllustratorであれば見よう見まねである程度はできてしまいますが、3Dデザインとなるとより強いクリエイティブ魂が必要となってきます。
安藤:CGの授業を担当したきっかけは。
木村:もう15年以上前のことになりますが、所沢に日本大学芸術学部の校舎ができるときに、知り合いの先生から手伝って欲しい、と頼まれたことが、授業を受け持つことになったきっかけですね。当時受け持った学生は1人で、学校にもNEC PC-9801が1台あるだけ。もちろん3Dソフトウェアはありませんでしたから、僕がプログラミングした簡単なレイトレーシングのソフトを使わせていました。市販のCGソフトウェアを購入して使い始めたのは、その数年後にMacを導入してからですね。CGを始めたばかりの学生は、ソフトウェアを使った時間に比例して上達していくので、週1回の授業で使うぐらいでは、操作を憶えるだけで使いこなせない。CGに興味を持った学生が、自分で購入して自宅で使えるというものであることが必要です。とは言え、学生もCGだけを専門にやりたくて大学に来ているわけではなく、デザインの表現の1つとして取り組んでいますから、より身近で使えるソフトウエアでCGを作りながら楽しいと実感できるShadeが良いと判断しました。学校で導入する前に、実際に私も使ってみたんですが、会社で自社開発をしていたソフトウェアに近いものを感じて使いやすかったことと、スクリプトなども用意されていて内部でどうやっているのかが分かりやすいものであったことで導入を決めました。Shadeは、必要な機能の入ったモデルを選択できますし、購入しやすい価格でもありますね。
安藤:木村先生が、学生の頃はどうだったのですか。
木村:僕が学生の頃は学校にコンピュータがありませんでした!!でも、CGの授業はあったのです。「情報美学」というもので、見聞きしたものを変換してアウトプットすることが創造活動であるならば、その創造活動を情報処理と考えて、コンピュータに置き換えたらどうなるかという理論的な話が主でした。コンピュータで、こういう画を作ろうということではなく、創造活動そのものを考えるというものですね。Photoshopなんてありませんから、まずはツールから作らないと画が作れない状況でしたね。学校にコンピュータがなかったので、東京大学計算機センターに行って、FORTRANでプログラムを書き、パンチカードで大型計算機にプログラムを入れて、演算させてラインプリンタで出力するなんてやってました。 学生にもShadeのスクリプトを使わせたりしていますが、スクリプトを使うだけで手作業では面倒なことが簡単にできるようになるということも多少授業で教えていますよ。
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