- Shade ユーザー訪問記
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- 第10回:山本正記先生
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- 第3回:木村卓先生(前)
- 第2回:園田浩二(後)
- 第1回:園田浩二(前)
【2009年2月6日】 第9回:IKEDA氏インタビュー(後編)
~Shadeなら長編ムービーが一人で
そしてユーザーのコラボで~
[聞き手:ANDO(安藤健一/株式会社イーフロンティア 代表取締役)]
(前編からの続き)
自分を実験台に限界測定
複雑な街並をどれだけ効率的に、そして雰囲気良く創れるか挑戦してみました。 |
ANDO)Shadeを使ったテクニックの話題を少しお聞きしたいのですが?
IKEDA)うーん、テクニックの話ではないですが、これぐらいのクオリティの映像を仕上げるのに、どれくらいのパワーがいるのかを体感したかったんです。だいたい掴めました。パストレーシングを使って、フルHD対応の高画質なレンダリング結果が得られるように設定して、1枚のレンダリング時間が30分以下になるように心がけました。なんとか綺麗にできたんじゃないかな?
もう一つはShadeの作品であまり他のユーザーさんが挑戦していない部分だと思うんですが、複雑な街並をどれだけ効率的に、そして雰囲気良く創れるか挑戦してみました。アングルによっては見えない部分のポリゴンの取り扱いとか、いかにデータを軽量化して、だけど質感はしっかり残すかなどです。最初は難易度が高いかなあと思っていましたが、意外と簡単で拍子抜けしちゃいました。自分自身このイメージだったらこれくらいの作業量でできる、といった体内時計のようなものが進化したと思います(笑)
ANDO)なるほど~。そのあたりをぜひartist sideのIKEDAさんのコーナーやShade onlineの制作日記でユーザーさんに教えてあげてくださいよ~。
これからのCGはコラボだ
綿製タオル氏作成のロボット
(綿製タオル氏インタビューはこちら) |
hinemaru氏作成の女性キャラクター (hinemaru氏インタビューはこちら) |
IKEDA)はい、順次公開していきます。ちなみにShadeのプロモーションビデオを見てくれたみなさんから大変温かいコメントを頂いてます。自分で言うのもなんなんですけど、クオリティが高いと言って頂けて本当に感動してしまいました。
基本的には一人で創りましたが、交流させて頂いているShadeユーザーさんにどうしても!!とお願いしちゃいまして、綿製タオルさんからオリジナルのロボット、hinemaruさんからオリジナルの女性キャラクターをお借りして映像に登場させています。この場をお借りしてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
作家さんが精魂込めて創られたキャラクターですので、魅力を引き出すよう必死に努力しました。それぞれの作家さんが創られたものを同じムービーにコラボするには、少しテクニックが必要になるのかなあ、と思いました。違うところで生まれたキャラクターを同じ空気に包み込むための試行錯誤が必要です。今回経験を積むことができたので、これからもどんどんいろんなユーザーさんとコラボして創ってみたいなあと思います。
ANDO)Shadeは23年前に開発が始まって以来、『パーソナル環境ですべてを完成させることができるCGツール』という一貫した開発方針を掲げていまして、まさにIKEDAさんのようなクリエイターのみなさんの応援ができれば、との思いで開発しています。これからの時代は、ネット環境などを通じてコラボレーションで作品を創り上げる方々のアシストが容易になるように開発することも重要ですね。それこそまずはIKEDAさんに使ってもらいたいですね。
IKEDAさんは美少女3DキャラクターHanakoの作家さんでもありますが、Shade 10.5発表会で提携先のAvatar Reality社が開発中のバーチャル空間「Blue Mars」の中でもHanakoがすごい表現力で登場していましたね?
IKEDA)データ集からそのまま変換しているだけですよ。本当に簡単な設定だけであっけなく配置できてしまいました。Shade 10.5に搭載されたCOLLADAエクスポータは、ゲームの開発をしているクリエイターの方々にはけっこう強力な武器になりますよ。
あそこまで高度な表現能力をもった「Blue Mars」がサービス開始になれば、CGクリエイターの全く新しい活動の場が増えるんじゃないかと期待しますね。
(編集部注:「Blue Mars」は2009年6月公開予定です。乞うご期待!)
IKEDAさん、お願いが…
イメージとイメージを繋ぐコミュニティサイト artist side(http://artistside.com/) |
いいじゃないですか!!是非そうしてください。 |
ANDO)Shadeというツールの開発だけではなく、CGのクリエイターに輝きの場、発表の場をどれだけ演出できるかが最近のテーマです。artist sideを運営していますが、もちろん「Blue Mars」もクリエイターを応援できるフィールドに育てたいですね。
ただちょっと残念なのは、artist sideは今まで投稿されてきた作品が素晴らしすぎるんです。みなさん、もの凄く上手なんです。
実は、もっともっと初心者の方が遠慮なく投稿してもらえるようになればと願っているんです。IKEDAさんにぜひお願いがあるんですが、初心者のユーザーの方々とどんどん友達になってあげて欲しいんです。
IKEDA)もちろんですよ。私もつい数年前まで3Dソフトなんて全く使っていなかった初心者でした。幸い近くに聞ける人がいたので何とか始められましたが、最初不安だったもんなあ、と思い出しますよ。みなさんにも気軽に声をかけて頂きたいですね。
ANDO)IKEDAさん、もうひとつお願いがあるのですが。Shade 10.5の発売を記念して、パッケージ版の限定特典として、Poser 6をオマケに付けるんです。もしよろしかったら「Shadeアンロックデータ集 -Hanako-」も付けたいんですが……いいですか?
初めて Shadeと付き合ってもらえるユーザーさんに、大変喜んでもらえると思うんですがどうでしょうか?
IKEDA)いいじゃないですか!! Shade 10.5を新しく買ったらオマケがいろいろ付いてくるなんて、名古屋のモーニングセットみたいで凄いじゃないですか! 是非そうしてください。
Hanakoは買ってくれた人が編集もできる“アンロックデータ”で、商用でも何でもいろいろ使ってもらえるような仕様のデータ集なんです。Hanakoをいじってもらえる人がたくさん増えたら、私以外のいろんなHanakoクリエイターさんとコラボして作品を創れる、なんて日が来るのも夢ではないですね。ぜひ嫁にもらってやって下さい(笑)
ANDO)世の中不景気な話題が多くて寂しい限りですが、一緒に盛り上げていきましょう。本日はありがとうございました。またいい作品を期待してますね。
(2009年1月20日/イーフロンティア社内にて収録)
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