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Shadeユーザー訪問記_園田浩二

【2008年6月26日】
第4回:日本大学芸術学部 木村卓先生×イーフロンティア 安藤健一(代表取締役)

1つの表現手段としてShadeを利用
さまざまな原体験を授業に生かす(後編)

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日本大学芸術学部 教室 (1)

安藤:3DCGソフトウェアで楽ができる分、多少なりとも本来のクリエイティブなデザインワークに集中できるんですね。ソフトウェアは、ツールとしてクリエイティブ性を邪魔するものであってはいけないと思いますし、むしろ学生の発想や感性を引き出して実現できるものでありたいなと思いますね。

木村:「あっ、できた」という成功体験は重要ですね。機能があっても、結果が出るまでに手順が多くかかるものだと、学生は途中で挫折してしまいます。結果がすぐに出てくる簡単なものであれば、それだけでも楽しくなると思いますし、それが発想や感性を生かすことにもつながっていくと思います。
手描きの制作では、自分が思ってた以上の結果が出るというような体験はなかなか得られないんですが、CG制作ではそういう時があるんですね。そこが面白いんです。

安藤:クリエイティビティが主であって、ツールなどをうまく活用して表現力を生み出すというのは、本当に大事ですね。

CG分野以外の原体験が作品の幅を広げる

安藤:今の学生も含め、20代前半の人は、3Dコンテンツとともに成長してきました。20代前半までの人にとっては、ゲームで3Dのキャラクターをリアルタイムで動かすなど、3Dコンテンツは当たり前のように存在していて、そのなかで育ってきました。
木村先生は、表現の試行錯誤を繰り返しながら、つねに新しいクリエイティブを発表してこられたんですが、今の学生に対して思うことはありますか。

木村:僕らの世代は、僕だけがプログラミングして……なんてことではなく、結構多くの方が、プログラムとクリエイティブをセットでやっていた。どうやって個性を出すか、いかに表現力を高めるか、今までに見たこともないものをどう生むかということが、世界中のCGクリエイターの目標であったわけです。その時のライバルは、写真であったりイラストであったり絵画であったりしたのですが、そうしたメディアに対してどう太刀打ちしていくのかということを考えてきました。CGであればここまでできるはずだ、ここまでやりたい表現があるというのがモチベーションになりました。こういう表現がしたいと思っても、実例があったわけではなかったですし、CGでだれも表現したことがないものを生んでいく過程そのものが面白かったですね。他のメディアを真似ても仕方がないので、それをどう越えるのかという過程が面白かったですね。
いずれにしても、以前見たCGと同じようなものが作りたいだけというのは寂しいので、挑戦し続けて欲しいですね。 すでに3Dコンテンツがあふれていて、原体験の中にさまざまなコンテンツが刷り込まれていると、なかなか難しいのかもしれませんけど。革新とは、超えたときの喜びが大きい。

安藤:クリエイティブとは、時代とともに変化しつつ前に進んでいくものですから、僕らの世代も20代前半の世代も、ぶち壊さなければならないものは今もあります。
ただ20代前半までの世代にとっては、ぶち壊さなければならないものは大きいかもしれないですね。

木村:子供のころはカメラで撮って、高校で8mmフィルムで撮っていた原体験があるんですね。映像制作という意味ではたいして変わっていないのですが。僕はこんな経験の中からクリエイティブの基礎を学んだんだと思います。最近はデジタルカメラが主流になってしまっていますが、教育の現場としては銀塩でやりたいという希望はありますね。ケミカル(化学的)なフィルムを使った表現は、体験としては必要なことだと思うんです。Photoshopの覆い焼きツールがなんでこんなアイコンなのか、身をもって体験するということかもしれません。いろんな生活での原体験の中にこそ、クリエイティブのヒントがかくれています。

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日本大学芸術学部 教室 (2)

安藤:ほかに最近の活動は?

木村:CG-ARTS協会のCG制作のテキストを作成したりもしています。特定のCGツールに関する記述はなく、CGの基本的な概念などを中心にまとめています。そのテキストも、前半は実写でできることにして、写真撮影、動画撮影、映像編集に触れ、カット割りやフレーミングなどを取り扱います。CGのテキストでありながらCGのことは脇に置いておいて、映像の基礎を学んでからCGに取り組む構成にしています。CGも動画で扱うことが多いので、静止画でも大変なのに、いきなり動画に取り組ませると挫折しやすいんです。まずは、映像を使って何かを伝えるということを学んでもらいたいんです。時間はかかりますけどね。

安藤:多くのクリエイターが進化することが、われわれの共通の願いですね。
今日はありがとうございました。

前編

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