レンダリング機能の強化_前編
レンダリング機能の強化_前編
Shade 13の開発テーマの一つに、レンダリングがありました。プロジェクト全体の生産性やクオリティを左右するレンダリング。その計算時間の短縮や仕上げ作業の効率化などは非常に重要なポイントです。
Shade 13のレンダリングの強化点について、前後編に分けてご紹介します。
目次
レンダリング履歴
レンダリング結果を履歴として保存しておくことで、履歴の閲覧や、複数のレンダリング結果の比較ができる新機能です。
設定に加えた変更がアウトプットにどのように影響を与えたのかを複数のレンダリング結果を比較して検証できるため、理想のイメージに近づくための調整作業をよりスムーズに進めることができます。
レンダリング画像の比較には、重ねた新旧のレンダリング画像をスライダ操作で切り替えながら見比べる「スライダー比較」と、新旧のレンダリング画像の差分を表示する「差の絶対値」の2種類が用意されています。両者それぞれの違いは、下の動画でご確認いただけます。
Shade 13ならマルチパスレンダリングとレンダリング履歴の二つの機能を組み合わせることで、修正したいオブジェクトをマスクで抜いて別のレンダリング結果に置き換えることも可能です。これで、微調整のたびにイメージ全体をレンダリングしなおす時間を節約することができます。
材質ごとのレンダリングオプション
鏡面の手前に小物があり、鏡面の反射には映り込ませたいが、小物自身はレンダリング結果に映って欲しくないという場合があります。従来はレンダリング後に画像から小物を消す作業が必要でしたが、Shade 13では表面材質の設定でこうした映り込みを簡単にコントロールできるようになりました。
背景を反射しない/カメラに表示しない/反射レイに表示しない(反射に映らない)/透明レイに表示しない(透明な形状越しに見えない)/間接レイに表示しない(大域照明での間接光計算の対象外にする)の設定が可能です。
下の画像は、シャドウキャッチャを設定した床の形状に「背景を反射する(左下)」と「反射しない(右下)」を設定した比較になります。新機能の「反射しない(右下)」を設定することで背景は反射しなくなり、キレイなスタジオのようなシーンを作ることができます。
影のソフトネス:レイトレーシング対応
従来パストレーシングでのみ実装されていた影のソフトネスが、レイトレーシングでも表現できるようになりました。
レンダリング時間がパストレーシングの数分の一で済むレイトレーシングを活用できるシーンが増え、制作時間の大幅な短縮が可能になりました。